銀行取引約定書の経緯
銀行取引の種類・内容が同じであるにもかかわらず、各銀行まちまちの形式・表現・内容の約定書を利用していた。同種類の取引でありながら、銀行によってその取り扱いやその取引の性格が異なったり、トラブルが生じた際の取引当事者や第三者との関係で解決が困難にしたり、銀行の細かい一方的な規定で批判の的とされてきた。
全銀協は1962年8月に金融機関共通の銀行取引約定書の制定に着手した。また1977年4月に、約定内容の対等化、明確化、借入取引先からする相殺(逆相殺)条項の親切等による改正が行われた。
書面形式の契約
契約内容については、手形行為などの特殊な場合を除いて本来不要式とされており、口頭でも差し支えないわけである。銀行取引において、これを書面形式によっている理由は、前述の通り、不特定多数の取引先と迅速に借入取引を迅速にしょるするには口頭だけの契約は危険であり、事実上不可能なためであり、約定書は、後日融資申込先との間にトラブルが生じた際の証拠としての意味がある。
約定書の方式には、銀行や消費者金融との連署方式、自ら署名して一方的に銀行や消費者金融に差し入れる差し入れ方式、銀行・都市引き裂きいずれも署名せず銀行が作成・印刷したものを取引先に手渡すだけの普通預金規定・当座勘定規定などの規定方式があるが、いずれも効力には変わりはない。借入取引では、現在差し入れ方式が一般的である。
普通取引約款
銀行の借入取引について、不特定多数の取引先を相手に大量の取引をしており、その一人ひとりと個々に取引内容を検討してから契約するということは事実上不可能である。銀行取引のように同種・同類・大量の取引を反復的に行う場合は、各種取引についてあらかじめ定型的な契約条項を定めておくことが必要になる。
約定書は、公序良俗、強行法律に違反した条項を規定することができないし、一般に構成、妥当なものであることが要求される。このような約定を「普通取引約款」といい、保険・運送・倉庫契約などにも多く利用される。
普通取引約款は、一種の自治法規と見るべきものだが、経済的に優位にある企業が一方的に作成するものであるから、約款の意味が明白でないときは作成者の不利益に解すべきであるという「作成者不利の原則」、また作成者に有利な規定がメイガクでないときは制限して解釈しなければならないという「制限的解釈の原則」が働くことに注意すべきである。