表見代理

9 月 24th, 2008 | Posted in 借金とは, 借金取引の相手方

無権代理行為が全て向こうであるとすると、取引の安全がはなはだしく脅かされ、相手方に思わぬ不利益を与えることとなるので、民法は無権代理行為であっても本人の責任に帰すべき一定の事情がある場合には、代理権があったと同様の責任を本人に負わせることにしている。

  1. 代理権授与の表示による表見代理
    本人が第三者に対してあるものに代理権を与えたことを意思表示しながら実際は与えていなかった場合である。表示の方法は口頭でも書面でもよく、また相手方を特定しない新聞広告による場合でもこれに該当する。法文上にないが、表見代理が成立するためには、相手方の善意・無過失が必要である。(最高裁判例・昭和41年4月22日)

    民法・第百九条  第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。

  2. 権限ゆえつによる表見代理
    本人が代理人に何らかの権限を与えていたが、代理人がその代理権の範囲を超えて代理権を行使した場合である。この場合も相手方は善意・無過失であることが必要である。

    民法・第百十条  前条本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。

  3. 代理権消滅後の表見代理
    代理権が消滅していたことを知らず、代理人であると信じて取引した場合で、知らないことについて相手方が善意・無過失であることが必要である。

    民法・第百十二条  代理権の消滅は、善意の第三者に対抗することができない。ただし、第三者が過失によってその事実を知らなかったときは、この限りでない。